わたしのLGBT〜Xジェンダー編〜

セクシュアルマイノリティ、通称LGBTのまことのXジェンダーを探す旅

札幌LGBT成人式2018

2月18日に開催された、札幌LGBT成人式に参加してきました!
初参加でしたが、とても良い式でした。
プログラムの、最後のスピーチをやらせていただきました。
テーマは、感謝についてです。
不慣れなこともあり、上手く伝えられなかった部分もあるので、改めてここに掲載します。
よかったら、お付き合いください。



2年前にわたしがこの札幌に来てからというもの、毎日が夢のようで、毎日が充実していて、毎日楽しく暮らしています。
少し大げさに言い過ぎたかもしれませんが。おおむね事実です。
わたしはパンが好きで、もちろん食べる方ですが、以前パン屋に勤めていたので、この街でもパン屋に就職するつもりでした。
ところが、希望の場所では雇ってもらえませんでした。
そのうち貯金も尽きてきたので、とりあえず見つけた大手の製菓会社に応募してみたところ、すんなり雇ってもらえました。
ちょっとブラックな会社でしたが、面白い部署に配属されたので、多少のことは目をつむって頑張りました。
上司の期待に応えるのはかなり困難でしたが、とにかくやる気のある部署だったので、活気もやり甲斐もありました。
しかし拘束時間は長いし、とにかく忙しなくてなかなかトイレに行くことも容易ではない。
毎日へとへとで帰宅して、スーパーで買った弁当を食べて寝るだけの生活になりました。
それでも、朝起きれば窓の外には街の景色が広がっている。
ああ、じぶんはいま札幌にいるんだな。
それだけでやる気がでました。
職場ではみんなが大変な思いをして働いていて、けれど協力しあわなければ仕事は回らない。
自然とみんなが助け合いながら。励ましてくれる。だからわたしは限界以上に頑張れた。その会社内では上司共に最高の部署でした。
そこで働けたことを、いまでもとても感謝しています。

わたしがこの札幌に住むきっかけとなったのは、いろんな人たちとの出逢いでした。
3年ほど前、わたしは、札幌で開かれていた交流会にはじめて参加しました。
女性が好きな女性が参加できるという、セクシュアルマイノリティの為の交流会でした。
その頃はまだ、じぶんのセクシャリティについてあまりよくわかっていませんでした。けれど女性に興味があったのは確かでした。
実はわたしは、セクシャリティについて悩んだ事はほとんどありません。けれど常に、じぶんは何者なのか、なぜ生きているのか、と自問自答していました。
じぶんという人間が生きる事自体に、疑問を感じていたのです。
それは本当に長い時間、繰り返し心の中にありました。
それまでのじぶんの生きる意味に、価値は見出せませんでした。
じぶんに幸せになる権利はない。
誰にも頼ってはいけない。迷惑をかけてはいけない。
わたしは誰にも必要とされていない。
今考えると、その時の心理状態が普通じゃなかった事がわかります。
幸せになりたくない人なんているでしょうか?幸せになってはいけない人なんているでしょうか?
たとえどんな状況で、どんな人間だったとしても、幸せになる権利はみんなにあります。
それは悩む必要もないことです。
けれどわたしは、その幸せを受け入れる事ができませんでした。
変わりはじめたのは、ここ数年のことです。
ある時を境に、わたしは考え方をリセットしました。
遅かれ早かれくるだろう人生の最期は、あー面白かった!と笑って迎えたい。
そう考えるようになってから、じぶんがしたいと思った事はなんでもする様になりました。
だからいま、わたしはこの街で、したい事をして暮らしているのです。
そしていまは、とても幸せであると感じています。
それは、この街で、職場で、セクシュアルマイノリティの交流会で出逢えた人たちがいたからです。
そして今も、この様な場所で、スピーチというなかなか無い機会をいただきました。みなさんには感謝の言葉もありません。

わたしが初めて参加した交流会とは、札幌で現在も開催されているwingさんです。
花見をしたり、お菓子や小物を作ったり、セクシャリティについて話したりと、いつも素敵なスタッフさんが企画運営してくださっています。
わたしはここに、ありのままのじぶんでいられる居場所を見つけました。
こちらに通ううちに、じぶんにも何かできるのではないかと考える様になり、いつか交流会をしたいと思っていました。
わたしが感じたように、ありのままでいられる居心地のいい場所。
そして今、わたしも交流会を開いています。

この街で、いろんなことに挑戦して、いろんなイベントに参加して、いろんな人と出逢って、大変なこともありましたが、一番感じたのは、人に恵まれたこと。
たくさんの友人が、大切な人が、これまでわたしを支えてくれました。
気があうのか合わないのか、わたしの愚痴に、反論しながらも付き合ってくれるおにぎり大好きな親友。いつもありがとう。
ずっとやりたかったパン屋の仕事を見つけてくれたり、落ち込んでいると寄ってたかって元気づけてくれたり、職場で倒れた時真っ先に駆けつけて看病してくれたり、みんなには本当に助けられました。心から感謝しています。

そう遠くない未来、わたしはこの街を離れることになるでしょう。
こんなにも素敵な街と、素晴らしい友人たちと、大切な人にももう二度と逢えないかも知れない。
最初からわかっていたこととはいえ、とても寂しいです。
けれどなにひとつ後悔はありません。
この街に来て、交流会に参加しなければ、みんなとの出逢いは無かった。
みんなとの出逢いが無ければ、いまのわたしはなかった。
いまのわたしが無ければ、こんなにも心強い気持ちでいる事はできなかった。

全ては点と点でつながっている。
とある有名人の言葉があります。
その時はそれがどこに繋がっているか見えなかったけれど、あとから見ればすべては繋がっていた。無駄なことは何もない。という意味です。

わたしの全ては感謝で繋がっています。
それがこの先も、たとえじぶん独りになっても、ずっとわたしを支えてくれるでしょう。
そう信じています。

ありがとうございます。




いかがでしたか?
会場の皆さんがお優しくて、じっとわたしの話に耳を傾けてくださいました。
本当にありがとうございました。

さて、今月は24日のwingに参加させていただくことになりました。
もうずいぶんと、お世話になっている交流会です。
来月11日のDive‼︎開催に向けてのPRの為に、名刺をバラまいてきます!!

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@Dive_sapporo